2010年09月08日
この日の出来ゴト
東京1公演目終了後、2公演目は見ずにひとり汗くさい東京青年館を離れる。
向かう先は京王線多磨霊園駅。
炙られるような日差しに顔をしかめながら、閑静な住宅街を貫く国道脇を10分ほど歩く。
BMW専門カスタムショップ「Studie東京店」。
そのショールームに、彼女はいた。


「来ちゃった・・・」
E86型BMW Z4Mクーペ改。通称「初音ミクZ4」。
08年後半〜09年にかけて、全国のボーカロイドヲタとニコ厨を熱狂させ、
世界のBMWヲタをポカンとさせた、国内最強のZ4にして世界最速の痛車。
09シーズン終了と共にチーム体制は変わり、このクルマもオーナー会社と共にサーキットを離れる。
今はただ、チューニングショップの片隅でひっそりと身体を休める彼女。
その姿をもう一度だけ見たくて、そのためだけにここまで足を伸ばした。
あの熱かった鈴鹿戦以来1年ぶりに見る彼女は、やはり美しく、可憐で、
どこか照れくさそうに俺を迎えてくれた。
破損したバンパーは修復され、新品のタイヤを履いた彼女は今すぐにでも走り出せそうだ。
ただ、大人の事情と世界的不況という誰にもどうしようもない現実が、
彼女のエンジンに再び火を入れることをそう簡単には許してはくれない・・・

窓から差し込む真夏の光線を受けて、ボンネットのミクラッピングはキラキラと輝く。
ルーフには今も「8322 Personal Sponsors」の文字が刻まれている。
多くのヲタの希望を乗せ、夢を叶えるために走り続けたミクZ4。
いつか訪れるであろう再起動の日を待つ彼女は、まるで眠り姫のようだ。
「まだ火は消えていません」
鈴木監督はブログにこう記している。
そう。夢はまだ終わっちゃいない。
万雷の拍手と喝采の中、科学の限界を超えてそのクルマは再び僕達の前に姿を現してくれるはず。
その手にネギを携え、V8の咆哮でサーキットをみっくみくにするその日を夢見ながら
ツインテールの歌姫はしばしの眠りに就く。


私は、まだ満足してない
あなたの歌を、全部歌うまで
私にもっと歌わせて 世界であなただけの歌姫なの
(『あなたの歌姫』)
 
posted by テンチョ at 03:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | GT300 初音ミクZ4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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